「やってはいけない脳の習慣」 横田普務
「やってはいけない脳の習慣」 横田普務
古本屋で100円で売っていました。最近は脳科学、脳に与える悪影響というトピックに興味があるので購入。100円で得られたことが多かったので満足。
本書では各項目(↓以下に記載)と成績の関係をデータとして示しています。その結果を基に脳科学を交えて詳しく考察されてありました。
・スマホと成績
・動機と成績
・自己肯定感と成績
・食生活と成績
・睡眠と成績
・家庭内コミュニケーションと成績
ここでは・スマホと成績・動機と成績だけ紹介します。(他は省略します。時間が在れば追加しておきます。)
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スマホと成績
図1-1はスマホの使用時間と成績の関係を示しています。横軸がスマホの使用頻度、縦軸が平均正答率です。左図が国語、右図が算数・数学です。点の違いは勉強時間をあらわすファクターで♢:30分未満、□:30分~2時間、△:2時間以上です。
勉強時間に関わらず、スマホの使用時間が長い子供から、せっかくやった学習内容が消えてなくなっていき、算数数学で顕著に表れています。
脳科学の知見からは「前頭葉の活動低下」が考えられるそうです。テレビを見たりゲームをしている時は脳の前頭前野という物事を考えたり、自分の行動をコントロールする力にとって非常に重要な部分の血流量が下がり、働きを低下してしまいます。よってテレビ・スマホ・ゲームで長時間遊んだ後は前頭前野が十分に働かない状態になり、理解力低下につながります。
スマホと生活を切り離すのは我々にとっては難しいので、どのような悪影響があるのが多面的に理解して正しい使い方を検討すべきですね。将来子供が出来たときに、禁止はしませんが、どんな悪影響があるかをしっかりと伝えた上で使用させます。
・動機と成績
図3-2は動機づけと学力の関係を表します。
これは仙台市7万人の子供に対して行われた調査で、内発的動機付けと外発的動機付けを捉える質問項目を取り入れて、分析したものです。
ここでは動機いう言葉の中でも大きく二つに分かれます。
1.内発的動機付け
楽しいからやる、自分の成長が嬉しいからやる
2.外発的動機付け
誰かに認めてもらうためにやる。賞罰・アメとムチによる
全科目で共通した点は内発的動機が高く、外発的動機が低いものが最も成績が高いということです。これも特に算数で顕著に表れております。
最近の脳科学による知見では「線条体」という脳の中心部に近い領域が内発的・外発的動機付けと関係しています。特に内発的動機付けが高いほど線条体の活動が高くなることが示されています。線条体=やるきスイッチなのかもしれません。また記憶や言語的な処理に関わるその他の領域の活動も動機付けの高低により活動が異なることが言われております。つまり内発的動機付けを高めることにより学習に必要となる脳領域を効果的に活性化できます。
何かを習得したいときに、その作業を楽しんでいる人(内発的動機付けが高い人)ほどうまくなります。これは脳科学的にも証明がされているので説得力がありますよね。
勉強に限らず、何事にもその動機は何かを意識して取り組んでいこうと思います。
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誰しもが聞いたことあるような情報を的確にデータとして示してくれる本でした。
なにより脳科学的な視点で説明が加えてあるのが面白かったです。
この本に書かれていることは自分の子供にも伝えていきたい。
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