「6人の嘘つきな大学生」朝倉秋成
「6人の嘘つきな大学生」朝倉秋成
就職活動が舞台のミステリー小説。
「お祈りメール」など就活スラングのようなワードが出てきて、去年就活を経験した僕にとって親近感がわいてきました。
内容として、6人の優秀な大学生が超人気企業の最終選考(グループディスカッション)に挑みます。みんなで事前に準備をしますが、当日与えられたテーマは「この6人の中で1人採用者を話し合いで決めてください。」 ここから皆が本当の姿を見せていく感じ。。はらはらドキドキしました
ネタバレになるので内容はここまで。ここからは学び
・人それぞれの表と裏の顔が感じられる作品でした。人が「いい人」と判断するきっかけ、基準を考えさせられました。僕はその人のある1面しか見ていないのにその人を批判したり賞賛していることに気づきました。きっと直感で判断していたと思います。そうゆうところは直さないとな。正直読んでる途中でも登場人物への印象がコロコロ変わりました。人や物事の本質はその一部分を見ただけでは簡単には見抜けません。
・この作品の中では「月が綺麗ですね」が出てきます。
このフレーズは小説家の夏目漱石に由来するといわれています。夏目漱石が英語教師をしていたころ、教え子が「I love you.」を「我、君を愛す」と直訳したところ、「日本人はそんなことは言いません。月が綺麗ですね、とでも訳しておきなさい」と指摘したそうです。
これが一般的なとらえ方だと思いますが、僕はなぜこの言葉が出てくるのだろうと考えました。作者は月の裏側は暗く、光があたらない。人にも明るい部分と暗い部分があるということを表現したかったのかなと考えます。
僕の考察ですがちょっとしたところにも作者の繊細さが表現されていて面白かったです。
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